東京名所之内新橋ステンシヨン蒸汽車鉄道図

明治8年(1875) 頃
歌川広重(三代)画
貨車や貨物ホームが描かれている珍しい作品。鉄道開業の翌年、明治6年(1873)9月15日から新橋(汐留)・横浜(桜木町)間で小荷物と貨物の営業が始まり、鉄道という新しい輸送手段による物資輸送が開始されました。
本資料には内国通運会社(現在の日本通運㈱)の丸通マークの印半纏を着た人物が描かれており、同社の宣伝を兼ねて描かれた可能性も感じられます。内国通運会社は明治8年に鉄道貨物取扱業に参入し、同26年(1893)には社業の中心をそれまでの道路輸送から鉄道輸送へと転換しました。