東京両国通運会社川蒸気往復盛栄真景之図

明治10年代後半
野沢定吉画
資料番号:300097
明治2年(1869)に政府が西洋型風帆船・蒸気船の民間所有を許可すると、全国各地に蒸気船が走るようになりました。通運丸は明治10年(1877)に内国通運会社が就航させ貨客を輸送した蒸気船で、数ある関東地方の川蒸気船のなかでも代表的なものです。第1号船は石川島平野造船所(東京都中央区)で建造されました。内国通運の通運丸は第42号まで確認することができ、本図のような外輪船のほか、スクリュー船もありました。いずれも喫水が浅く、内陸河川の航行に適していました。
本資料は通運丸の両国橋の発着所を描いたもので、建物の軒先には寄港地の河岸名を描いた木札が掲示されています。